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【第一回】真の実力を知る?!最強の低価格3Dプリンター使いこなし術

 

  筆者プロフィール
加藤大直(かとう ひろなお)加藤 大直(かとう ひろなお)
Genkei 代表社員 兼 RepRap Community Japan 代表
ニューヨークにて美術大学卒業後、現地の建築デザインオフィスでプロダクトデザイナーとして、多数のプロジェクトに参加。

プロダクトデザインの経験を生かし、デザインから設計まで手がけたオリジナルの3Dプリンターを次々と開発。現在までに開発した3Dプリンターは6種類にも及ぶ。日経、NHK、フジテレビ、テレビ東京など、メディア取材・出演多数。

 

みなさまこんにちわ、Genkeiの加藤大直です、かとう ひろなお と読みます!

 3Dプリンターを作り続けてはや7種類、台数で言うともうわかりません・・・
現在は、RepRap Community Japanの代表として日本での3Dプリンターの普及活動に勤しむ毎日です。
今回は、3Dプリンターは精細にプリントすることが難しいことをMakersLoveさんより相談を受け、低価格3Dプリンターの可能性を知ってもらうためにも一肌脱ぐことにしました。

一体どこまで
個人向け3Dプリンターで出来るのか!?

atom 3Dプリンターを使って何が出来るか、どこまで出来るか検証してみましょう。

まず大きな区分けとして二種類のモデルがあります。

1つ目は見た目が大事なモデル、そして2つ目は機能するためのモデルです。

1つ目は素材の強さ以上に見た目のクオリティが求められるものでフィギュア等の主に観賞、検証用として必要とされています。。

2つ目は見た目以上に3Dプリントされた物がそれ単体で、もしくは他と組み合わせて動かしたり何かしらの機能が備わったモデルになります。

今回の企画ではこの大きく分けた2種類の3Dプリントをこなせるように紹介していきたいと思います。

 

低価格3Dプリンターの特徴

現在一般の方でも手に入れられるようになってきた3Dプリンターですが、そのほとんどがFDM(熱溶解積層タイプ)と呼ばれる方式です。

これは高温で溶けるプラスチックを細い射出口からデコレーションケーキのようにプリントするタイプの3Dプリンターです。

 

どんな道具にも利点不利点があるようにこの方式の3Dプリンターにも利点不利点があります。

 

メリットとしては

  1. プリントした物が実用強度に耐えられる物がプリントできること。
  2. 様々な素材がプリントできること。(プラスチック、木材樹脂、ゴム、順次新しいのが追加)
  3. 超低コスト且つメンテナンスが可能。
  4. 様々な実験が可能。

 

デメリットとしては

  1. プロ機と比べると精度の上限がある。
  2. 純粋な透明や、モデル表面に写真等の色をまだ一緒にプリントできない。
  3. プリント失敗する可能性がプロ機に比べて高い。

などの点を踏まえつつももっと高クオリティに、もっと自由に3Dプリントをしていきましょう!

 

ここまで出来る!atom 3Dプリンターの実例

実際にatom 3Dプリンターとそのプリント物の実例を見てみましょう。

atom 3Dプリンターはオープンソースの3DプリンターでRepRap Community Japanから発表されている「日本でも誰もが低価格で自分で高精度の3Dプリンターが作れる」FDM型3Dプリンターです。

国内最高精度かつ国内設計、国産部品使用、メンテナンスも容易な3Dプリンターでどなたでも作成、使用可能です。

atomの最大プリントサイズは14 x 14 x 13cm(高さ)になり、大体の必要な日用品の70%は確保できる大きさとなっています。それより大きい物をプリントする時は機体の大きさを変えたり、プリントするモデルを分割してプリントすることも可能です。

 

ではまず見た目が大事なモデル、例えばフィギュアを見てみましょう。
▼Hanakoをatomでプリント

3Dフィギュア「hanako」の奇麗な3Dプリント

3Dフィギュア「hanako」の奇麗な3Dプリントの後ろ姿

 

簡単なデフォルメされたロボットキャラクターであったり、

複雑な表面形状をしている動物、

精度が求められる細身のキャラクターフィギュアも。

アトムによる骸骨の3Dプリントモデル atomによるヴィーナス像の3Dプリントモデル

 

 

そして機能するモデル達

 

歯車がお互い複雑に噛み合って回転するモデルだったり、
3Dプリントでしかできないような形状+機構を作ることができます。

atomを使って精巧な歯車をプリント

 

そしてゴムのような新しい素材による、全く新しい機構を作ることも。

atomでゴムのフィラメントを使ったプリントモデル atomでゴムのフィラメントを使ったプリントモデルを曲げてみた

 

見た目は大事

簡単な物であっても複雑な物であっても表面が綺麗にプリントされていなければ綺麗にみえません。

実は複雑な物よりシンプルな形状だったり、滑らかな表面であるほどその差が出てきます。

よくプロの現場で使われる光造形機と呼ばれる高精細に3Dプリント出来る機体も他の3Dプリンターも積層の細かさを指し示すスペック(記述)がありますが、荒いにせよ細かいにせよ、表面がきちんと滑らかに積層されているとどちらもとても綺麗に見れます。

逆に言えば、表面が滑らかにプリントされておらず、ギザギザの表面になってしまっている状態ではいくら積層が細かくても綺麗に見えません。

 

機構(機能)と大きさ

もう一種類気をつけなければならないのが、大きさです。 通常フィギュアや、外観に関する物であれば大きさを自由に変えたりすることができますが、構造体やギアが動いたりする物であると話は別です。

ただの箱を取ってみても蓋のはめ込みのための凹凸には決まった寸法があるので、3Dプリンターやその他の加工機には大きさに合った寸法が求められます。

一件シンプルなものにも動きや、機能、構造が備わっていると物のそうでない物の差が有るので何度か試作してみるのも重要になります。

現在は3Dプリンターの機種によってまちまちではありますが、このatomを使って貴方の新しいモノの作り方の第一歩をお見せ出来ればと思います。

次章からは実際に3Dモデルを3Dプリンターを使って実際にモデルをプリントするための行程を辿っていきます。

 

3Dプリンター「atom」の関連情報

3Dプリンターはミニ四駆か? 「atom」組み立てセミナーに参加してきました。

低価格3Dプリンター「atom」はここまで出来る!真の実力体験セミナー

GenkeiとMakers Loveのコラボキャンペーンで組み立てセミナーが半額に

 

atomを作る国産3Dプリンターメイカー「Genkei」

Screenshot of genkei.jp

本連載ご協力頂いている加藤大直さんは、国産3Dプリンターメイカー「Genkei」の代表です。
「Genkei」は日本で始めて低価格の3Dプリンター「atom」を開発。

最近では、デルタ方式の3Dプリンターを発表するなど、国産3Dプリンターメイカーとして先駆的な活動をしています。

 

 

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