【第三回】キレイなプリントを追求!最強の低価格3Dプリンター使いこなし術
皆様 新年明けてしまいましたがおめでとうございます!
私加藤は寝正月にならないようお雑煮と格闘しておりました。
さて、ちょっと前回より間が空いてしまいましたが今回は実際のプリント編ということで3Dプリントしてみたいと思います!
今回使用するのはPLA素材、プリントした物はかなり固くなり剛性保たれる素材です。
ではではプリントするための準備をしましょう。
3Dプリンターは「atom 3Dプリンター」、RepRap Community Japanからオープンソース化されていて、Genkei.LLCからキット化されているもの使用します。
きっと素晴らしい3Dプリントを実現してくれるでしょう。
そして3Dプリンター自体を手動で操作したり、ファイルを読み込ませたりするためのホストソフトウェア、ここではPronterface (プロンターフェイス)というオープンソースソフトウェアの一つを使用します。
このホストソフトウェアはPronterfaceだけでなく他にもReplicatorG(下図左)、Repetier(下図右)なども存在し、バージョンを重ねて使い易さが向上しています。
また機会がありましたらこれらのPronterface以外のソフトを使用してみたいと思います。
ちなみにですが、前回用意したプリント用データであるGcodeを生成するソフトのことを通称スライサー、またはGcodeジェネレーターと呼びます。
そしてそのGcodeを実際に読み込み、3Dプリンターをパソコンを通じて動かすPronterfaceのようなソフトのことをホストと呼んでいます。
ではさっそくUSBで繋がれた3DプリンターにConnectボタンで接続しましょう。
次にウインドウ左上のFileから前回作成しておいたGcodeを読み込ませます。
するとウインドウ中央に真上から見たプリント時の動きが全て重なった状態で反映されます。
設計通りのシリンダー状の物をプリントするのでまんまるですね。
その次にヒートコアと呼ばれる、樹脂を熱で溶かし射出する部分を加熱します。
その下にはヒーテッドベッドと呼ばれる加熱式のプリント面を加熱するための設定を行うこともできます。 通常ABS素材を造形する時に使用する機構ですが、PLA樹脂でも低温で使用することができます。
今回は加熱しなくてもよいプリント面の素材を使用しているのでそのままにしておきましょう。
次に何度温度を上昇させたいか数値を入れSetボタンを押すと加熱開始、その右側のグラフで温度の上昇を確認することができます。
水色のラインが右上に上がってきました!
温度が十分に上がってきたらプリント開始です! ウインドウ上中央のPrintボタンを押します。
さあプリントが始まりましたどうなって行くのでしょう!
底面から一層一層積み重なって行きます。
ぐるーりぐるーり
プリントも開始されたことですしコーヒーでも飲みましょう。
出来上がりが楽しみだなぁ!
あ!今のうちにメガネとペン以外に何が入るか考えておかないとですね。
何を入れようかなぁ。
お、早速一個目が出来てきました!もうすぐもうすぐ。
というわけで
ひとまず3個ほど出来ました! 左のシリンダー内部に見えているモジャモジャな物質は前回記述したサポート材です。プリントし終わったらペリペリ剥がしましょう。
ではさっそく、ぐいぐいと組み合わせて連結を・・・むむむ???
あれ、あれれ・・・おかしいな、回らない・・・
はい、見事にスクリュー部分の螺旋の向きが逆向き合いに、これじゃあ閉まらない!!
しかも回す方向が合っている部分も奥まで締められないご様子。誰でしょうこんな設計をしたのは。
・・・はい! というわけで設計を直しました!
設計を直してすぐにまた造形出来るのは3Dプリンターならではですね。
新しい造形ができるまで設計を直してからなんと2時間しか経っていません。
では気を取り直して再プリント結果を! 胴体ユニットと蓋をプリントしました。
カメラのレンズ入れみたいな並びですね。1個だけ閉じたり2個だったり。
閉じた時の繋ぎ目が無いのも造形精度が合っている証拠ですね。
回して閉めるときもスルスルと回ります。
4つ連結させるとこんな感じに、
良い感じのストレートラインですね。
この形式の3Dプリンターで造形された物は実際に使用できる剛性を持てるので何か入れて使ってみましょう!
(左)ユニット1個のみの例、イヤホンとUSBメモリー。
(右)ユニット2連結の例、精密ドライバー入れ。
本来の目的である眼鏡もこの通り!
調子に乗ったついでに机の上に置いておく用のペン立て等もプリントしてみました。
(データ参照元:thingiverse)まずポリゴンチックなペン立て
花瓶(ランプシェード?)
そして綺麗な胸像があったので最後にプリント。こういう美術造形もいいですね。
プリント結果も良いクオリティが出たと思います。
いかがだったでしょうか、 「これをプリントしたら今度はこれ」という感じに何かをプリントし始めるとついつい色々な物をプリントして使いたくなってしまいます。
持ち運べるものから観賞目的の物まで様々な物を目の前で、且つ短時間で造形できる、これからの時代こんな楽しいことが生活に溶け込み、更に飛躍することでしょう。
貴方も手を伸ばしてみませんか?きっと今までにない世界が広がると思います。
3Dプリンター「atom」の関連情報
atomを作る国産3Dプリンターメイカー「Genkei」
本連載ご協力頂いている加藤大直さんは、国産3Dプリンターメイカー「Genkei」の代表です。
「Genkei」は日本で始めて低価格の3Dプリンター「atom」を開発。
最近では、デルタ方式の3Dプリンターを発表するなど、国産3Dプリンターメイカーとして先駆的な活動をしています。