3Dプリンタ世界市場は2021年には48万台に! 金属3Dプリンタ-が大きく成長
2018年12月27日、ビジネスシンクタンクの矢野経済研究所から、世界の3Dプリンタ市場予測が発表されました。
2017年の世界の3Dプリンタ市場規模は、前年比18.4%増の27万台(メーカー出荷数量ベース)。
市場では60万円未満のローエンド3Dプリンタ(ローエンド装置)と60万円以上のハイエンド3Dプリンタ(ハイエンド装置)の二極化が進行。2018年は前年比16.7%増の31万5,000台を予測されています。
3Dプリンタは装置や材料の進化によって欧米を中心に航空・宇宙や自動車、医療、家電、金型関連分野などで最終製品の造形や量産に向けた動きが活発です。
試作やデザインの確認に留まりがちなローエンド装置は、教育機関などを中心に導入が増加しているものの、以前と比較すると成長は鈍化しています。
一方、ハイエンド装置については、特に金属を材料にする装置の伸びが顕著だそうです。
また、2017年の世界の3Dプリンタ市場(メーカー出荷数量ベース)における日本の占める割合は3.5%で、この割合は2021年には2.0%にまで縮小すると予測されています。
国内では3Dプリンタを使いこなしに課題
近年、ものづくり産業における競争力の源泉は品質や価格、納期ではなく、「モノ」を通じて市場にどのような付加価値をもたらすのか、という点に移りつつあります。
3Dプリンタは複雑な造形物を一体で作ることができるが、この特性を活かした設計等が行われないままになっているなど、日本のものづくりは3Dプリンタを活用しきれておらず、こうした変化に十分な対応が出来ていないと指摘されています。
確かに、Markforgedのような比較的低価格のハイエンドプリンターでは、
金属やカーボンファイバーを使った最終製品が生産可能なレベルになっています。
日本は金型を使った設計はハイレベルですが、こういう3Dプリントでの製造にはあまり慣れてないですね。
市場の将来展望
3Dプリンタは造形や材料の交換等の自動化、遠隔モニタリング、造形サイズの大型化などが進み、製造工場にも組み込まれはじめている。3Dプリンタは他の工作機械と比較すると、精度等の観点で未だ劣るところもあるものの、従来技術と相互補完の関係を維持しながら装置、材料、ソフトウェアが三位一体で進化し、用途の拡大とともに市場は成長を続けるものと予測。
この背景には、中国において国が補助金を出して3Dプリンタを普及させる動きがあり、ポーランドにおいては政府系機関の資金を活用して3Dプリントセンターを設立するなど、国家戦略として3Dプリンタを普及させる政策等も継続して実施されていることがあります。
こうしたなか、世界の3Dプリンタ市場規模(メーカー出荷数量ベース)の2015年から2021年までの年平均成長率(CAGR)は16.7%で推移し、2021年には48万台になると予測されています。
日本の市場シェアは、数年後には2%程度になってしまうとの予想されています。
国レベルで取り組んでいるエリアと、日本では3Dプリンターを使った製造業のあり方に
大きな差が開いて行くのかもしれません。