無料から使えて高機能の3DCAD!「Fusion360」とは!?
3Dプリンターでイロイロ出力していると、オリジナルのデータが作りたくなってきます。
3Dのソフトは馴染みの無い方には分かりづらいものですが
その場合の選択肢は、3DCADか3DCGのどちらかとなります。
そして、この2つのソフトは根本的に違うものなのです。
3DCG
3DCGはゲームなどで使われており、人間などの有機的なモデルを作るのが得意です。
しかし、3Dプリンターには向いてません。
それは、元々絵を作るソフトで寸法が正確では無いのと、見栄え重視で矛盾のある3Dデータができやすいためです。
3DCAD
CGに対して、工業製品や建築物を作るためのソフトが3DCADです。正確な寸法で、カッチリとした形状を作るのに適しています。
矛盾の無いモデルしか作れないので、3Dプリンターに適したソフトです。
これらの特徴から、3DプリンターにはCADが向いています。
「じゃあ、CADを使えばいいのか?」と思いますが
業務用ソフトの中でも、CADは群を抜いて高いのが問題です。。。
代表的な3DCADのソリッドワークスやキャティアなどのソフトは、100万円〜800万円ぐらいと
一般人にはとても買えないレベルです。。。
※企業でもなかなか買えませんが。。。
実質無料なのに凄すぎる「Fusion360」の機能とは
最近は、無料の3DCADもいくつか出てきていますが、積み木レベルで使えないのが現状です。
しかし、3DCAD界の雄Autodeskさんが出している「Fusion360」は、個人は無料で使えるのに業務用に近い(一部はそれ以上)の機能を持っています。※
※ライセンス:年間$100,000以下の個人やスタートアップ、教育関係者は無償で利用できます。
メイカーズラブでも家電製品などのデザインに実際に使っており、
価格や機能を考えると、3Dプリンターにもっとも向いているソフトとも言えます。
インストール方法はこちらの記事をご覧ください。
<Fusion360の機能の一例>
Fusion360の機能はざっとこんな感じです。
業務用CADにしか無い機能がふんだんについており、なぜこれが無料??というレベルです。。。
- モデリング:豊富なコマンドで自由自在のモデリング
- 履歴機能:あとで簡単に直せる
- スカルプ:有機的なモデリング
- アセンブリ:複数の部品を組み合わせるアセンブリ
- ジョイント:部品を組み合わせるジョイント
- シミュレーション:負荷計算ができる
- レンダリング:写真のような画像が作れる
- アニメーション:モデルを動かせる
- 図面:3Dから2Dの図面を作れる作図機能
■モデリング:豊富なコマンドで自由自在のモデリング
無料CADの多くは積み木レベルなのは、角度のつけたモデリングや
ロフトなど複雑な形状を作るのに向いているからです
スケッチやサーフェースを駆使することで
こんな複雑なモデルでも簡単につくれます。
■履歴機能:あとで形状を簡単に直せる
3DCADの特徴の一つに、完成後に簡単に形を直せる点が挙げられます。
「やっぱり大きくしたい」「モデルの形を変えたい」という的に
過去にさかのぼる事で、簡単に形状を変更することが可能です。
こんなハートの形を変えたりが簡単にできます。
■スカルプ:有機的なモデリング
3DCADは、CGのような有機的なモデルを不得意です。
しかし、「Fusion360」には粘土をこねるように3Dモデルを作る「スカルプモード」があります。
「スカルプモード」を使うと、こんな猫のモデルなど、普通のCADが難しいモデルも可能です。
■レンダリング:写真のような画像が作れる
作った3Dモデルをプレゼンするときに使えるのがレンダリング機能です。
ガラスや木材などの素材を割り当てることで
これ写真かな?ぐらいの画像を作ることができます。
■アセンブリ:複数の部品を組み合わせるアセンブリ
CADで製品レベルのものを作ろうとすると、部品が十数点になることも普通です。
しかし、1ファイルでたくさんの部品を取り扱うのは大変。
Fusion360なら、部品ごとにファイルを分けて、最後に組み合わせる(アセンブリ)ことができます。
■ジョイント:部品を組み合わせるジョイント
Fusion360で、組み合わせた部品を実際に動かすことができるのが「ジョイント」です。
ジョイントを設定すると、こんな感じで合体させたモデルを動かすことができます。
■アニメーション:モデルを動かせる
Fusion360ではジョイントしたモデルをアニメーションにすることができます。
3Dモデルだけだど説明が難しい場合などに、重宝する機能です。
■図面:3Dから2D図面を作れる
日本ではまだまだ2Dの図面盛んに使われています。Fusion360は、3DCADで作ったモデルを2Dの図面にすることが可能です。
3Dモデルから寸法をとり、簡単に図面を作ることができます。
■シミュレーション:構造解析ができる
Fusion360は、高額CADの機能である構造解析が可能です。
モデルの素材を指定して、どのくらいの負荷をかけると壊れるかを検証する「応力計算」をはじめ、
事前のシミュレーションができるようになっています。
Fusion360でできる構造解析は、静的応力、モード周波数、熱伝達、熱応力、構造座屈、非線形静的応力、イベントシミュレーション、シェイプ最適化など多数です。