ケンウッドが、量産品に3Dプリント部品を使用開始
3Dプリンターは詩作や治具製作の道具だと思われていますが、最近は小ロットの量産品に3Dプリンターを使う動きが目立ってきています。
従来の3Dプリンターは印刷速度が遅く、量産には向いてませんでしたが、インクジェット3Dプリンターがその問題を解決しています。
音響メーカーのケンウッドでは、開発中の医療用カメラの部品に3Dプリンターの「HP Jet Fusion 」で造形したパーツを使用するそうです。
ケンウッドでは、以前より3Dプリンティングの可能性に注目し、形状試作や治具などのツーリング分野で活用。
最終製品への適用に向けSOLIZE Productsと日本HPと共同で3Dプリンティングによる造形に適したパーツの選定や、試作したパーツの技術的な検証を実施し、医療用カメラの内部部品として量産が決定したそうです。
この部品は、「HP Jet Fusion 」の特長を生かした設計の最適化がされており、従来工法では製造が難しい複雑な構造を実現することで、機能改善とコスト削減を両立したとのことです。
医療用のカメラとなると、ロットは100単位だと思うので、金型量産だとコストが上がるタイプです。製品の単価も高いので、3Dプリンター部品の適用には向いていると思います。
また、家電業界では長期にわたる補給部品の金型管理や、メンテナンスコストの負担が共通の課題となっています。
そこで、ケンウッドでは、生産終了製品の補給部品へ、3Dプリント部品適用の検証を進めてるそうです。
家電などは10年以上も使うものがありますが、故障しても部品がないケースが増えています。そういうものにも3Dプリンターが使えるとは思っていましたが、日本の企業でも採用が進んでくると思います。