【Fusion360】シートメタルの展開で、多方向曲面のパネルを作る
3DCADのFusion360のシートメタルの応用編です。
「展開」を裏ザワ的に使うと、曲面構造が結構簡単に作れます。
今回はFusion360で、どこから見ても曲がっている多曲面のパネルを作って見ました。
![多曲面のパネル](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/take02-1024x633.png)
多曲面のパネル
元になる平らなプレートを作る
まず、最初に平らなプレートを作るためのFusion360のスケッチを描きます。
「長方形」で、適当な寸法のスケッチを描いてください。
スケッチがかけたら押し出しをして、やや凹凸のある平らなプレートを作ります。
![フレームの元のスケッチを描く](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate03-1024x644.png)
プレートの元のスケッチを描く
![押し出しでフレームを作る](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate05-1024x663.png)
押し出しで外側のフレームを作る
次は、パネルの網状の部分を作るためのスケッチを描いていきます。
最初に十字のスケッチをセンターに描きます。
そして、「作成>パターン>矩形状パターン」で、スケッチを複製して網状にしていきます。
![中心に十字のスケッチを描く](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate06-1024x685.png)
中心に十字のスケッチを描く
![スケッチのパターンで網状に増やしていく](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate08-1024x679.png)
矩形状パターンで網状に増やしていく
網状のスケッチを実体化するのに使うのは「作成>ウェブ」です。
「パイプ」でも同じような形状が作れますが、線に1本づつ適用になるのでかなり時間がかかります。「ウェブ」だと一気に作ることができますよ。
そして、平らな板を「ボディの分割」で4分割していきます。
分割したプレートは4分の1だけ残して、あとは削除します。
![作成のウェブで網を実体化する](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate09-1024x607.png)
作成のウェブで網を実体化する
![ボディを分割で4分割にする](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate10-1024x623.png)
ボディを分割で4分割にする
残った4分の1のプレートは、角を丸めておきます。
後ほど複製するので、その関係で先に丸めておくと効率的ですね。
![4分の1だけ残して削除する](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate11-1024x580.png)
4分の1だけ残して削除する
![角にフィレットを適用](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate12-1024x663.png)
角にフィレットを適用
Fusion360のシートメタル機能で曲面を作る
ここから、Fusion360の「シートメタル機能」を使って、曲面を作っていきます。
準備として、最初にプレートの側面に「円弧」でスケッチを描きます。
さらにシートメタルの「フランジ」を使って、円弧を実体化させます。
![側面に円弧を描く](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate13-1024x671.png)
側面に円弧を描く
![フランジで円弧を実体化する](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate14.png)
フランジで円弧を実体化する
ここまでは、普通のシートメタルの使い方ですが
ここからが、「裏技」的な使い方です。
まず、「展開」で曲がっている板をまっすぐに伸ばします。
そして、プレートと板を「結合」で合体させます。
![展開で曲面をフラットにする](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate15.png)
展開で曲面をフラットにする
![結合でフレームと合体させる](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate16.png)
結合でフレームと合体させる
フレームと板が一体のボディになったら「面を再度折り曲げ」を使うと、
全体が曲がった状態になります。
これは、シートメタルの板と合体したことで、フレームもシートメタルのデータになるためです。
これで、網目とフレームが横方向には曲面になります。
あとは、横方向を曲げた加工を、縦方向にも同じように適用します。
最初にスケッチを描いて、「展開」から「面を再度折り曲げ」まで、やり方は全く同じです。
![再度折り曲げを選択](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate25.png)
再度折り曲げを選択
![全体が曲がる](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate17.png)
全体が曲がる
![曲げ加工を別の曲面にも適用](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate18.png)
曲げ加工を別の曲面にも適用
![曲げ加工を別の曲面にも適用](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate19.png)
曲げ加工を別の曲面にも適用
曲面が完成したら、邪魔な板を「ボディを分割」で削除していきます。
板がなくなると、全方向から曲がったフレームの4分の1パーツができました。
パーツは、「ミラー」して「結合」すると完成したパネルになります。
従来だとサーフェイスCADじゃないと実現が難しかった
多曲面パネルですが、シートメタルを使うとあっさり作ることができました。
この方法は、ジュエリーなどにも応用できそうです。
![不要な部分をボディの分割でカット](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate20.png)
不要な部分をボディの分割でカット
![全方向から曲がったフレームが完成](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate21.png)
全方向から曲がったフレームが完成
![ミラーリングで面を増やす](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate22.png)
ミラーリングで面を増やす
![全体を結合して完成](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate23.png)
全体を結合して完成
![多曲面のフレームが完成](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2020/01/tate24.png)
多曲面のフレームが完成
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![佐々木 康友](https://makerslove.com/wp-content/uploads/2013/03/sasaki_avatar-90x90.jpg)
メイカーズファクトリー 代表取締役
プロダクト&グラフィックデザイナー /WEBコンサルタント
株式会社メイカーズファクトリーCEO
広告グラフィックのデザインからWEBのマーケティング戦略立案、企業の商品開発のコンサルティングまで幅広い業務を経験。 MacBook Airじゃない方のMBAホルダー。