人体の高速3Dプリントに成功!

3Dプリントされた手 出典:バッファロー大学
ニューヨーク州立大学バッファロー校の研究チームは、生細胞を含むヒドロゲル材料を素早く3Dプリントできる技術を開発しました。
現在の3Dプリントはスピードが遅いのが難点です。遅いスピードでプリントされた細胞は、臓器などの構造を維持し機能することが出来ません。
今回発表された、高速ヒドロゲルステレオリソグラフィープリント(FLOAT)と呼ばれる新しい技術は、カプセル化された細胞にかかる環境ストレスを大幅に軽減します。

血管がプリントされた臓器 出典:バッファロー大学

3Dプリントされた手 出典:バッファロー大学
移植用のドナー臓器の不足しており、人工臓器の開発のため膨大な研究努力が続けられてきました。
3Dプリントはこの点で非常に有望です。
ただし、カプセル化された細胞の場合、長いプリント時間では役に立ちません。
ヒドロゲル構造物をすばやくプリントする機能を備えたこの新しい技術は、生細胞が印刷プロセスを生き残るのに役立ちます。
この新しい技術では、数分以内にセンチメートル単位のヒドロゲル構築物を生成することができます。
チームはまた、細胞とともに、埋め込まれた血管のプリントをテストしました。
これは、3Dプリントされた臓器の機能にとって重要です。
「私たちの方法では、センチメートルサイズのヒドロゲルモデルを迅速にプリントできます。これにより、従来の3Dプリント一般的に見られる環境ストレスに長時間さらされることによって引き起こされる部品の変形や細胞の損傷が大幅に減少します」と、研究チームのChiZhou氏は述べています。
ヒドロゲル構造物内にプリントされた血管は、栄養溶液が構造物の奥深くまで浸透することを可能にします。
これは、3Dプリントによる人工臓器臓器を実現するための重要な要素となります。
出典:バッファロー大学プレスリリースより