固形ロケット燃料をプリントできる3Dプリンターが発表
米国インディアナ州のパデュー大学の研究チームは、非常に粘性のある材料を3Dプリントする方式を発表しました。
従来フィラメントメーカーなどは、材料の組成を変えることで、出力可能な素材を増やしてきました。
しかし、パデュー大学の研究チームは、ノズル自体に高振幅の超音波振動加える方式を確立しました。これにより、固体ロケット燃料、医薬品、生物医学的インプラント、食品などの3Dプリントが可能になるそうです。
パデュー大学機械工学部の助教授であるEmre Gunduz氏曰く、「一般的な3Dプリント方式は、熱で材料を溶かして積層します。これは通常プロトタイプには十分ですが、製品の製造には、セラミックや金属複合材料のような高強度の材料を使用する必要があります。しかし、これらの材料は非常に粘性が高く、一般的な3Dプリンターの小さなノズルから押し出すことが出来ません」。
「私達は、特別な方法でノズルを振動させる方法を考案しました。それにより、ノズル内の摩擦を減らすことができ、材料を押し出すことが可能になります。また、精度も多くのエントリーレベルの3Dプリンタより優れています」。
この研究は、世界最大の学術推進研究所であるZucrow Labsで行われています。そのため、最初に検討されている実用的な用途は固体のロケット燃料です。
Monique McClain博士曰く、「ロケットに使われている固体推進薬は、クッキー生地のように非常に粘性があります。3Dプリントされる固体ロケット燃料は、ロケットの形状をカスタマイズすることで、燃焼を修正することが可能となります」。
「特定の部分の燃焼速度を早くしたり遅くしたりするか、中心部で外側よりも早く燃焼させることができます」
研究チームによると、この技術を使えば従来は粘性が問題でプリントで出来なかった
様々な物がプリント可能になるそうです。
例えば、セラミック製の歯科用の差し歯だったり、薬局で個人向けの薬を3Dプリントできれば、従来10錠必要だった物が1錠に纏められたりと、色々な利便性を高める可能性があります。
また、アメリカらしくEmre Gunduz氏ら研究チームは、この研究をビジネス化するための
ベンチャー企業を立ち上げたそうです。
研究はジャーナルAdditive Manufacturingに掲載されています。
出典:パデュー大学
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