【Raise3D】ネジテストをしたらドラマがあった!!
前回の寸法をテストした「Raise3D N2」ですが、今度はネジテストをしてみました。
驚異的な精度が出るのだから、余裕すぎて記事になるのだろうかと思っていたのですが、細かなデータでしたので、少し工夫が必要なことも分かりました。
今回は、市販されているM3〜M10までのナットとボルトを用意して、「Raise3D」で印刷したオスとメスネジにはめ込んでいきます。
まずは何も考えずに印刷
まず、データを作って特に何も考えずに、Raise3Dのスライサーソフト「ideaMaker」の「Hight Quality(積層ピッチ:0.1mm)」で印刷してみました。デフォルトで3種類の印刷設定があり、その中で一番クオリティーが高い設定です。また使用したフィラメントはプリンター購入時に付属している「プレミアムPLA」です。
ハイクオリティーだけあって、印刷状態は非常にキレイです。印刷時間も約4時間かかるのですが、印刷中の独特の緊張感(失敗しないかな?とウロウロするなど、、)はまったくなく、頼れる感じがうれしいです。
正直旧世代の3Dプリンターは触りたく無くなってきました。さて、、話を戻しまして、早速メスの部分にボルトを入れこみます。まぁ当然といいますか、全種類あっさりとハマりました。M6以降からちょっと遊びが多いのが気になる感じですが、さすがといったところです。
ただ、ナットをはめようとしても、なかなかハマらなかったのです。
なぜだろうとネジの切込み部分を確認してみると、、、
なんだろう、、この形状は・・・・これではハマらない、、、
1番分かりやすいM10の部分だけを比較して行きます。
※写真をクリックして拡大してみてください。
見ての通り、ネジ山が上に尖ってるのがわかります。これではハマらないですね。
早速、販売元の日本3Dプリンター(株)に問い合わせた所、丁寧にご回答頂きました。
検証開始!!
頂いたアドバイスは3つありました。せっかくなので一気にやらず勉強がてらに1つずつ試して、変化を検証して行きたいと思います。
【アドバイス1】フィラメントを変えるべし!!
今回使用したフィラメントは「プレミアムPLA」でした。
※外装は予告なく変わります。
なんか、プレミアムPLAに比べて外装が粗末な感じもしなくないですが・・・・・
そもそも何でPLAで二種類もあるのだろうか??よくわからないので、このあたりをメーカーに聞いてみました。
・プレミアムPLA
反りが発生しにくく、安定性が高い
⇢長時間の印刷にむいている
・T-PLA
安定性が若干落ちるが精度が高い、カラーバリエーションが多い
⇢細かい形状にむいている
前回プレミアムでとんでもない精度を叩き出したのに、それ以上精度がでる素材とはいかに・・・!?
同条件でスライスして、待つこと4時間、、、しかし、、、結果は同じに・・・・
【アドバイス2】積層ピッチを0.15mmにせよ!
細かい物を出力するのに、ピッチを上げるとはにわかに信じにくいのですが、それ以外解決する手段もないのでとりあえず印刷してみました。。
フィラメントはT-PLAです。そして待つこと4時間、、、
おお!??ピッチが上がった分やはり粗さが目立ちますが、溝の形状はだいぶ正しい山形になってきました。
指で回すのは少し難しく、モンキー等の工具を使用してはめていく感じです。
【アドバイス3】ヘッドスピードを落とせ!!
Raise3Dの専用スライサーソフト「ideaMaker」ですが、基本的な扱いは非常に簡単です。しかしながら、色々フィラメントが印刷できるようにするために、隠れたところに高度な設定ができる箇所がたくさんあります。
その中の印刷スピードに関連する設定を二箇所変更しました。ちなみにフィラメントは変わらず「T-PLA」、積層ピッチは「0.15mm」です。
・Default Printing Speed
印刷時のヘッドスピード
・X/Y Axis Movement Speed
プリントしてない時のヘッドスピート
待つことまたさらに4時間、、、三度目の正直となるのか!??
おおおお!??来たか??? 若干荒いところがありますが、M3~M10までななな、なんと全部入りました!!
当然工具等は使わず、指で回せます。
結論
冒頭でも話しましたが、これほど高精度なプリンターでも造形物によっては設定を変える等、工夫が必要な時もあるということがわかりました。びっくりしたのは、こういった形状の場合大半のスライサーソフトではサポート材が付くのですが、Raise3Dの「ideaMaker」では一切付きませんでした。
それがアダとなって、もしかしてダメでは??と途中でおもったりもしました。もし同じような状態になった方がいましたら、上記「アドバイス3」のヘッドスピードを少しずつ落としてみてください。
最後に、無茶振りをしたのにもかかわらず、ご丁寧に対応していただいた日本3Dプリンター(株)ならびに、Raise3Dのメーカーの方にこの場を借りて御礼申し上げます。
つづく・・・・