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モーゼルC96風、輪ゴム鉄砲制作のノウハウと裏話

輪ゴム鉄砲の動画如何でしたでしょうか??
まだ見てない方は、こちらからどうぞ!!

その昔、割り箸にて輪ゴム鉄砲を作った経験がある方は沢山いるかと思います。しかし、連射可能となると、頭にはてなマークが出るかと思います。はい、わたくしもそうでした。
ありがたいことに今はインターネットという便利なものがありまして、動画やブログでこういう連射できる銃を作ってる方々沢山いまして、そのなかでも非常に役に立ちましたサイトを掲載しておきます。

▼参考サイト
連発ゴム鉄砲の設計あれこれ1(KEROKERO火器商会)

この場をもってお礼申し上げます。

制作のノウハウ

さて、原理がわかればこれをデジタル上で実現します。
そう「Fusion360」なら簡単ですよ

Fusion360で設計するとメリットだらけ

レーザーカッターのデータを作るのに、Fusion360を使うとメリットだらけでして、その最たる理由が「アセンブリ」による動作シミュレーションです。

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ちなみに、このアセンブリについては、最近特集しましたので興味がある方は「7つのジョイントを練習するトレーニング」を見てください。

これを実際に可動させて試射したところ、数発程度では問題がなかったのですが、弾を込める数が増えるにしたがって回転翼に想像以上の張力かかりました。
原理を参考にしたサイトにも書いてありますが、この回転翼を制御するフックをしっかり作らないと暴発します。
そもそも連射銃自体初めてなので、暴発が何を意味するかすら分からなかったのですが、輪ゴムが連続で射出されて初めてその意味が分かりました。
なので、ここの形状は試行錯誤を繰り返して、現在の形状になりました。

強度

12連射になると、弾となる輪ゴムの張力も凄いことになります。
はじめは全ての軸パーツを全て竹串にしてたのですが、強烈な張力に耐えれるはずも無く当然へし折れました。ですので、そういった部分は真鍮パイプにしました。

この真鍮のパイプが入るところは彫刻(ラスター)モードで、深さが約2mm掘るようにしました。しかし、ヤニたまりが起きるので、ドリルの歯でちょっとだけ削るとトラブルが少ないです。
IMG_3840
 

さらにフックも、先端が細すぎて破損しましたので、最終形状はもう少し太くしています。

フックの破損

フックの破損

 

Eサートネジ

amazon販売元「Auto Parts EALE」を参照

amazon販売元「Auto Parts EALE」を参照

ネジを固定したい時、非常に便利な受けネジですが、どういわけか知らない人が多いEサートネジ!ほんとに便利なので、動画でも1分(4:00〜5:05)くらい尺を取りました。
そもそもこのネジ、色んな名称がありまして、調べる限りでも

Eサート、ヘリサート、イリサート、インサート、コイルネジなど、、

っとなかなか統一されていません。
簡単に話しておきますと、ネジが掘ってある円柱パイプタイプと、バネタイプと二種類ありまして、今回使用したのは後者の方です。これの説明は割愛しますが、工程は、下穴にタップでねじ切りして、専用工具でバネを入れて、最後にフックの部分を折ります。

しかし、、今回蓋をネジ止めで、、、と考えたのですが、下記写真の箇所に隙間ができまして、、これがあると、輪ゴムがこの隙間に入り込んで、射出されなくなります。。。
ですので、結局その部分は接着しました。。ですので、この道具がない方は、清くすっ飛ばしてボンドで接着してください。

隙間がある

隙間がある

 

頑張って「イラストレーター」を使えるようになろう!!

とりあえず写真を見てください。

塗装前と塗装後

塗装前と塗装後

今回、レーザーカッターだけで完成させようと思いましたが、こうやって並べるとやはり塗装している方が遥かに良いですよね??
イラストレーターは自由度がありすぎて、さらに操作も独特なのでとっつきにくいのが難点です。
しかし、これを使いこなせるようになると、今回のように塗装もしかり、そもそもお絵かきソフトなのでポスター作ったりなど、色んな用途に使えるようになり幅が広がります。
当社で開催しているレーザーカッターセミナーは、イラストレータの沢山ある機能を絞って、CAD的に使えるような内容となっています。さらに将来性を考えてデザインについても触れており、是非この講座をとっかかりにイラストレーターを始めてみては如何でしょうか??

ちなみに塗装はUVプリンター「Roland LEF-12」にて行っています。
素材はMDF3mmですが、この表面、一見きれいに見えるのですが、塗装すると表面がざらついていまして、塗装する部分を研磨すると仕上が良くなります。
今回は#400だけですが、#600くらいまで細かいので仕上げ処理するのがいいかと思います。

一見きれいに見える塗装面

一見きれいに見える塗装面

 

最後に

前回のエスカレーターに比べると、今回は非常に簡単かと思います。構造設計の勉強にもなりますし、何よりも機構を自分で作って思い通りに動作すると色々と自身がつきます!
夏休みの工作にはまだ早いですが、是非チャレンジしてみてください!

なお「HAJIME」ユーザー限定ですが、こちらからデータのダウンロードができます。

▼データのダウンロード先(HAJIME専用)
モーゼルC96風!12連射のゴム鉄砲をUVプリンターとFusion360とHAJIMEで作った

 

レーザーカッターに必須のイラストレーター入門

レーザーカッターは3Dプリンターと並び注目のデジタル加工機です。
しかし、加工データを作るにはイラストレーターの操作が必須です。

そこで、レーザーカッターには必須のイラストレーターを
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レーザーカッターのLS100 レーザー加工機の稼働シーン レーザーカッター入門セミナーの課題3 レーザーカッター入門セミナーの課題3
執筆者のご紹介
石丸 紀人 石丸 紀人
メイカーズファクトリー 代表取締役

みんなから「まる」と呼ばれています。気軽にニックネームで読んでくださいな。
運送、引っ越し、音響施工会社、インターネットのコンテンツプロバイダー等を経て、2013年株式会社メイカーズファクトリーを設立。メイカーズの情報サイト「Makers Love(メイカーズラブ)」を運営。
メインはシステムエンジニアだが、モノ作りが得意な侍として活躍中。
アフリカンパーカッション「ジャンベ」奏者でもある。