【Raise3D素材】かなりゴムっぽい!フィラメントのポリフレックス(PolyFlex)
3Dプリンターの「Raise3D」で、色々な素材を出力して見るシリーズ。
色々な素材を出力しながら、素材の特徴や、出力のコツなどもご紹介します。
今回は、3Dプリンターで出力してみたい素材の上位に上がる「ゴム系の素材」を試してみます。
ゴム系素材のポリフレックスを出力する
出力するフィラメントは、「ポリフレックス(PolyFlex)」です。
ゴム系の素材は、繊維に近いものが多いですが、「ポリフレックス」はかなりゴムっぽいのが特徴です。
出力する3Dモデルは、先日Fusion360でモデリングしたボロノイ模様のiPhoneケースです。
早速、プリントをしてみました。プリント時間は約五時間です。
iPhoneケースは、中空構造なのでこのようにサポート材が中に詰まります。
3Dプリンターによっては、同じ「ポリフレックス」を使ってもサポートが取れない場合や、
そもそも出力ができない場合があります。
Raise3Dでは、このサポート材が結構取れるのが良い部分です。
最初に、台座となるラフトを手で剥がします。これは割とすんなりはがれます。
次に、中身に詰まっているサポート材を、ビリビリと剥がして行きます。
大きなサポート材は、だいたいこんな感じで取れます。
しかし、面倒なのは細かい糸みたいな部分です。
これは、はんだコテで焼き切るようにしていくと、結構早く綺麗になります。
やはり、「ポリフレックス」で出力したものは
かなり柔軟性があり、本当のゴムのような感じです。
グニョグニョ曲げて見ると面白いですねー
最後に、iPhoneに装着するとなかなか良い感です。
Raise3Dで、ポリフレックスをプリントするコツをご紹介
【フィラメント】
Raise3Dで使えるゴムライクなフィラメント。かなりゴムっぽく柔軟性が高い素材です。
材料はTPUで、軟度は94Aになります。
【ハードウェアの調整】
エクストルーダーとリールの隙間
ポリフレックスは、プリンターで押し出しす時に詰まりやすくなります。
しかし、Raise3Dは、エクストルーダーの位置を物理的に調整することが可能です。
エクストルダーの歯車の間とリールの隙間を調整すると、素材の送りがスムーズになります。
出力スピード
Raise3D側で出力スピードを70%にします。
【ソフトウェアの調整】
Raise3Dのソフトウェア「ideaMaker」 では、「ポリフレックス」用の設定があります。
これを少し調整すると出力が綺麗になり、サポートがはがれやすくなります。
- Cooling > Extruder:押し出し温度を240度にする
- Cooling > Bed Temperature:ベッドの温度を80度にする
- Raft > Serface Layer Speed:ラフトの印刷スピード。60 → 30mm/s に下げる
- Raft > Raft Gap from Model :ラフトの最終面とモデルの間の隙間。0.15→0.20mmに変更
- Support > Support Flowrate:サポート材生成時の材料の量。100から90%に下げる
「Raise3D」と「ポリフレックス」の組み合わせでは、ゴム系の素材の弱点である「サポート材が取れない」現象をかなり克服できることもわかりました。
ゴム系素材は色々なことに使えるので、施策の幅が広がりますよ。