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【MDF】彫刻編 レーザーカッターバトル!!

アイキャチ_20180126_03

前回に続き、今回はMDFを使って「彫刻」をメインにバトルしてみました。予想外な結果になったり、新たな発見があったりと色々楽しい結果となっております。
まずはMDFを知らない人のために、簡単に説明しておきます。

MDFの参考画像 引用元Woodworking Network

MDFの参考画像
引用元Woodworking Network


MDFは英語で「Medium Density Fiberboard」と言いまして、日本語訳は「中密度繊維板」です。これは何かと言いますと、木材を粉になるまで粉砕して、それに接着剤を混ぜて圧縮したものです。

 
生活の中では見えない所で使われてたりするのですが、例えば「カラーボックス」とか、家具の引き出しとかひっそりと使われてます。この素材は非常にムラが少ないので、スピーカーの筐体に使われることも多いです。そういった理由からレーザーカッターの加工に向いています。

今回は、前回のケント紙ではできなかった、彫刻の深さを二種類ずつ行い結果を見てみたいと思います。

 

浅彫り

彫刻する深さが「0.18mm」になるように、双方値を調整しました。各設定はこんな感じです。

▼浅彫り(0.18mm)の各設定比較表

  LS100 HAJIME CL1
パワー 15% 20%
速さ 12%(約30cm/s) 30cm/s
加工時間 16分 17分
解像度 600DPI 500DPI(※1)

※1 HAJIMEは縦解像度でスキップ数を設定でき、今回はステップ2を使用。

同じ深さを彫るのに、ほぼ同等の出力であるはずですが「HAJIME CL1」のパワーが強めになってます。それでは結果です。

全体の浅彫り比較

全体の浅彫り比較

どういったことか、前回のケント紙と真逆の結果がでました。「HAJIME CL1」より「LS100」の方が濃いです。

● 焦げ??について

レーザーカッターで、MDFを含めた木材全般を加工する際、加工エリア付近に必ず焦げのようなものが付きます。この成分は定かでは無いですが「ヤニ」が含まれていると言われています。それが至る所に付着し、この焦げ跡のような感じがつきます。これを「味がある」と感じる方もいますが、人によっては「汚れ」と思う方もいらっしゃいます。この焦げを無くすには、マスキングテープを使うやり方がありますが、これについては後ろの方で書いておきます。

それを踏まえて、この結果を見て下さい。

文字を拡大

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なんと「HAJIME CL1」は、この焦げがほとんど無い結果となりました。僕も何台かレーザーカッター加工機を使いましたが、焦げが殆ど付かないのは初めて見ました。率直に言って凄いです。ただし、このテストではあまり煙が出ないので次は深めに掘って検証してみましょう!!

 

深彫り

今度はかなり深く彫ります。深さは「0.5mm」くらいです。まずは各々の設定からです。

▼深彫り(0.5mm)の各設定比較表

  LS100 HAJIME CL1
パワー 16% 27%
速さ 12%(約30cm/s) 30cm/s
加工時間 34分 34分
解像度 1000DPI 1000DPI
全体比較_深彫り

全体比較_深彫り

今度も「LS100」の方が濃くなるという結果に。。わけが分からん。。。。
恐らく解像度の設定の違いかと思われますが、これに付いては別の素材の時に、詳しく説明する予定です。
それでは、「焦げ」がどれくらい付着しているか「蝶」の部分をクローズアップしてみます。

蝶_深彫り比較

蝶_深彫り比較

彫刻精度に関しては、正直甲乙つけられないくらいどちらも繊細に出来ています!!目立った違いは「HAJIME CL1」のほうが、かなり焦げが付着してのが分かるかと思います。
僕はレーザーカッター使って2年くらい経ちます。なのに初めてわかったのですが、今回一番気になる「焦げ」の付着の違いが排気ファンの強さにあることが分かりました。これについて説明の前に、両機の加工の違いを説明したいと思います。

● 加工順と気流の流れ

彫刻の際の加工順番と、装置内での気流の流れが両機とも逆になってます。

加工と気流について

加工と気流について

この関係から焦げは、「LS100」の場合上側に、「HAJIME CL1」は下側に付きます。

● 集塵機の強さ

今回のテストでは「浅め」に比べてかなりの煙が出ます。その煙を排出する排気ファンの強さを、「LS100」ではコントロールできます。今回は「LS100」側の強さは、一番弱い状態でやり、一方「HAJIME CL1」はコントロールができず、つねにマックスの状態で動作します。その際の気流の流れを真横からみるとこんなイメージになります。

ファンの強さによる煙の流れ

ファンの強さによる煙の流れ

このことから、「HAJIME CL1」の丸印の部分に煙溜りができて、一部がとても濃くなりました。

煙溜まり

煙溜まり

では「HAJIME CL1」では、これはどうしようもないの??と言いますと、そんな事はありません!!
一手間増えますが「マスキングテープ」を使います。

● マスキングテープで焦げを解消!!

用意するのは、幅の広いマスキングテープだけです。これを加工箇所に貼り付けて加工するとこんな感じです。

マスキングテープを使った加工例

マスキングテープを使った加工例
「HAJIME CL1」にて加工

加工後にテープを剥がすと焦げの無い、とてもキレイな感じに仕上がります。

 

終わりに

この企画も2回目となりますが、2台のレーザーカッターで比較すると色々なことが勉強になりました。
最後になりますが、加工時に双方の特性が見えてきたのでそのあたりを書いて終わりにしたいと思います。

MDFなどの木材は湿度や温度の影響によって、よく反ったり加工面の一部が盛り上がったりします。
「LS100」で多少の凹凸(だいたい1mmくらい)の差は彫刻時にそんなに影響がでず、そのノリで「HAJIME CL1」を操作した際、濃さが違う箇所が出て最初は非常に悩みました。結果、素材に両面テープなどを貼り、極力平らにすることで解決できました。
正確に測る事はできないのですが、どうも照射しているレーザーの幅(スポット径)が違う感じです。
感覚的ですが、ルーズな「LS100」に対して、繊細な「HAJIME CL1」という感じです。

次回予定しています「MDFカット編」は、色々ドラマがあり面白い結果となっています。近日中にアップしますので、乞うご期待を!!

つづく

■製造メーカー

【 グラボテック株式会社 】
〒663-8202 兵庫県西宮市高畑町1-25
TEL:0798-63-6281
FAX:0798-63-6280

【 Oh-Laser 】
〒350-0021 埼玉県川越市大中居94-2
TEL:049-265-6046
FAX:050-3730-4692

 

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