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CO2レーザーカッターで、ステンレス(金属)に彫刻してみた!

アイキャチ_20180322
7回目となります「レーザカッターバトル」ですが、今回は「ステンレス(金属)に直接彫刻」をやっていきたいと思います。

この企画で使用しているレーザーカッターは「CO2(炭酸ガス)レーザー」と言いまして、金属の加工には不向きだと言われています。不向きといいますか、購入時には「機器を壊す可能性があるので止めましょう!!」なる説明を受けたります。このタイプで彫刻するには「マーキング材」を表面に塗って、レーザーによって定着させるのが一般的となっており、もし直接加工したい場合は、「ファイバーレーザー」と言う種類のレーザーを使います。

レーザーの種類についてはOh-Laserのサイトにあります「金属レーザーマーキング加工」に「光の波長とレーザーの種類」という項目で詳しく書いてありますので、そちらを御覧ください。

今回比較対象としている業務用CO2レーザーの価格帯は「200万〜500万」くらいで、一方「ファイバーレーザー」になりますと「700万〜」となり、正直高嶺の花という感じです。
ですが「HAJIME CL1」では、オプションの「ウルトラシャープレンズ(約4万円)」を使えば素材は限定されますが、なんと「ステンレス」に直接彫刻できるようになるらしいです。

にわかに信じがたいのですが、検証開始していきたいと思います。

 

彫刻開始

そいうわけで、「LS100」と「HAJIME CL1(標準レンズ)」で彫刻した結果がこちらです。

ノーマルレンズ比較

ノーマルレンズ比較

▼加工機の設定値

  LS100 HAJIME CL1
出力 95% 95%
速さ 2% 5cm/s
解像度 1000DPI 1000DPI(STEP:1)

「LS100」では、よーく見るとうっすら彫刻されているのが見えます。本来CO2レーザーではこんな感じになります。
一方「HAJIME CL1」は、恐ろしいこ事にノーマルレンズで刻印されてますが、なんだが腐食したおどろおどろしい感じの配色になりました。

それでは「HAJIME CL1」に「ウルトラシャープレンズ(約4万円)」を装着して刻印した結果がコチラです。

「HAJIME CL1」レンズ比較

「HAJIME CL1」レンズ比較

あっさりと、むら無く綺麗に刻印できました。。。

 

カラーに挑戦!!

この刻印は、ステンレス焼付き現象によって刻印しており温度によって色合いが変わります。

▼ステンレスの温度と発色の関係

温度
300〜400℃ 金色
700℃ 赤紫
900℃

もしかして、温度をコントロールできたらカラーリングできるのでは??と思いまして、挑戦してみました。

温度と色の変化

温度と色の変化

とりあえず、ムラがありますが色の違いがでました!!
実はこのカラー見本を作るために何度も試行錯誤したのですが、同じ設定なのにムラが出ることが多々ありました。このムラが出た場合、もう一度同じ設定で上塗りすると改善されるとがありますので、挑戦する方は根気よくやってみて下さい。
さらに【SINCE】という文字ですが、これは非常に小さく【S】の文字の横幅は「0.8mm」程度しかありません。写真に左上の「5cm/s」の文字はパワーが強すぎて全体的に滲んでおり、右下の「30cm/s」はパワー不足でかすれて滲んだ感じになってます。

それでは、この結果を利用して先程の素材に色をつけてみます。
工程は増えますけど、その手間を上回る感動があります!!

カラーに挑戦

カラーに挑戦

ものすごい発色するわけではないですが、なんだか味のあるカッコイイ感じですね。

 

色々なものに彫刻

せっかくなので、市販されている物に彫刻してみました。

【Lixada】 バーベキューコンロ・焚火台 折りたたみ 薪ストーブ

焚き火台

焚き火台

テストで使用した素材と違い、表面加工されている為なのかレーザーの出力が「65%」でした。
こちらは、男っぽいギアーなので、単色でやりました。

 

弁当箱

弁当箱

弁当箱

こちらも焚き火台と同じく、出力を「75%」でカラーに挑戦しました。
写真では見にくいですが、色は安定せずムラがでました。しかし、これはこれで味があって良い感じですよ!!

この弁当箱の加工工程ならびに、カラー彫刻の拡大写真を動画にしましたので、合わせて御覧ください。

 

おわりに

今回は検証というより「HAJIME CL1」の商品紹介のようになってしまいましたが、やはり金属に彫刻できると色々視野が広がります。
私自身そこまでレーザーについて詳しくはないですが、今回のステンレスに反応した「HAJIME CL1」と、ほぼ無反応な「LS100」ではどうも「波長」が違うのではないかと思います。

僕はアウトドアが大好きで、この彫刻ができると分かった瞬間、真っ先にキャンプ用品に彫刻しようと考えました。友達同士で行くと、混乱した撤収時には、各自の持ち物がぐちゃぐちゃになって必ず知らないアイテムが増えてたり、はたまた無くなることは必須です。
ちなみに、今はアニメ「ゆるキャン」と言うのが放映されたおかげか、空前のキャンプブームらしいです。キャンプ場では、ある意味自分のギヤー自慢大会が必ず開催されます。その時、オリジナルの刻印があったりするちょっと鼻高々になれること間違い無しです。

7回にわたって様々な検証を経た「レーザーカッターバトル」ですが、「試作で色々やりたい!!」というわがままな方にとって「HAJIME CL1」は、かなり良いレーザーカッターであることは間違いありません。

 
■製造メーカー

【 Oh-Laser 】
機種名:HAJIME CL1
〒350-0021 埼玉県川越市大中居94-2
TEL:049-265-6046
FAX:050-3730-4692

【 グラボテック株式会社 】
機種名:LS100
〒663-8202 兵庫県西宮市高畑町1-25
TEL:0798-63-6281
FAX:0798-63-6280

 

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