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【Fusion360】面(フェイス)を使いこなしてサングラスを作ろう!!

さり気なくガンダムカラー

さり気なくガンダムカラー


 
夏が来たー!!っと言っても間違いないくらい暑いですね。
まるです。

わたくしは自転車乗りなんですが、先日自転車用のサングラスをなくしてしまっい悔しいからFusion360で作れないかな??と思いたち挑戦しました。それでは早速作っていきましょう!!
っと言いたいのですが、ながーーいので「もくじ」置いておきます。

もくじ

  1. フェイス(face)を使ったボディーの作り方
  2. 投影して、面を作るべし!!
  3. サングラス本体を作る
  4. テンプルを作る
  5. 実際に挑戦してみて

 

フェイス(face)を使ったボディーの作り方

Fusion360では、立体モデルを作るのに3つの方法があります。

  1. スケッチを使って押し出す
  2. スカルプで粘土をこねるように作る
  3. 面を貼りあわせて作る

3番目の方法は3DCADでも一般的なのですが、Fusion360での情報があまりないのでさらっと書いておきます。

3DCADの世界では一般的にはフェイス(face)と言うのですが、これは「現実世界には無い、厚さのない面」と言われておりパソコンの中でだけ表現できる面です。Fusion360ではこれを「パッチ(Patch)」と呼んでおり、これらを隙間なく貼りあわせて、立体物(BODY)を作って行きます。恐らく手芸の世界の「パッチワーク」から由来してるのでは無いでしょうか??
そこで、この方法で一個の立体モデル(ボディ)を作るにはこんな工程になります。

いつもどおりスケッチにて四角を書く

いつもどおりスケッチにて四角を書く

Patchモードの「Extrude」にてスケッチを押し出す

Patchモードの「Extrude」にてスケッチを押し出す

実は上下に穴が開いた筒状なので「Patch」コマンドにて塞ぐ

実は上下に穴が開いた筒状なので「Patch」コマンドにて塞ぐ

最後は縫い合わせるコマンド「Stitch」にてひとつのボデイーにする

最後は縫い合わせるコマンド「Stitch」にてひとつのボデイーにする

 
「Stitch(ステッチ)」のコマンド後は、ナビゲータにあるボディーが以下のように変化します。もしこうならない場合は、どこかに隙間があって、面で埋まってない可能性があります。

ボディの変化

 

投影して、面を作るべし!!

3DCADソフトでは一番使うであろう、MODELモードのEXTRUDEのコマンドなのですが、この「operation」に「intersect」というのがあります。
「交差する」という意味で、文字通り2つのオブジェクト同士で重なった部分を抜き出してくれます。イメージ的には映写機でスクリーンに投影するようなイメージです。
まず準備として、スケッチで円を書いて、それをPachモードのExtrudeで、中身の無い円柱をつくります。次に円柱の側面に平面を作って、その部分に抜き出すためのスケッチを作成します。

intersect_01
 

抜き出され面(フェイス)
intersect_02

これを多用して、サングラスのフレーム部分を制作していきましょう。

サングラス本体を作る

前置きが長くなりましたが、早速作っていきましょう!!
まず、頭部となる骨格部分をつくります。
これを作るにあたって初めて頭蓋骨を調べたのですが、フレームの上部(丁度眉毛のあたり)と下部(目の下あたり)には奥行きがあり、上部の方が出っ張るようになっています。ですのでベースとなる楕円面は、少し上部が大きくなった感じとなっています。

骨格となる楕円

骨格となる楕円


 
そして、正面からメガネのフレームとなる骨格をスケッチで書きます。

サングラスのベース

サングラスのベース


 
さらに先ほど説明したEXTRUDEの「intersect」でベースとなる面を作成します。

ベースとなるフレーム

ベースとなるフレーム


 
厚さを3ミリしたいので「Patch」モードの「Offset」にて一枚つくります。
さらにデザイン的に真中部分を膨らましたいので、真ん中にもう一枚「offset」します。
そして、真ん中の面は「Scale」にて一回り大きくしておきます。

三枚におろされたフレーム

三枚におろされたフレーム


 
次はレンズ部分の作成です。
フレームでスケッチしたの面と同じ場所にレンズを書きます。片面を書いて、ミラーにて反対側もできます。

新たにレンズをスケッチする

新たにレンズをスケッチする


 
このスケッチをExtrudeではなく「Thicken」にて、CUTします。
この「Thicken」は厚くすると言う意味ですが、面を一気にBODY(立体モデル)にしたい時はこちらを使います。

フレームからレンズ部分をくり抜く

フレームからレンズ部分をくり抜く


 
レンズ部分をくりぬいたら、今度はレンズ本体を作ります。こちらも面とOffsetを使ってベースとなる面をつくります。
こちらは難しい事は無いので、詳細は省きます。

ベースとなるメガネの面

ベースとなるメガネの面


 
最後はLoftコマンドにて、各面ごとを覆うように埋めていき、「Stitch(ステッチ)」にて面をまとめて、フレームとレンズ各々のBODY(立体モデル)に仕上げます。

本体フレームの完成

本体フレームの完成


 

テンプルを作る

フレームを耳にかける部分を「テンプル」と言うそうです。初めてしりましたw
長くなってきましたが、早速作って行きましょう。

まず、本体と同様に楕円の面をベースに、今度は真横からスケッチをします。そして今回多用しているEXTRUDEの「intersect」で「テンプル」のベースを作ります。

テンプルのスケッチと基本面

テンプルのスケッチと基本面


 
これをオフセットで3ミリ内側に移動して、フレームと同様の厚さにします。
そして、今回はデザイン要素として、テンプルを少々出っ張った感じにしたかったのでさらにそのベースとなる楕円をスケッチで描いてPatchの「Extrude」でベース面をつくります。

ベースとなる面

ベースとなる面


 
Offsetで3mm移動

Offsetで3mm移動


 
LOFTで側面を作成

LOFTで側面を作成

ベース面より少し前方を伸ばした面

ベース面より少し前方を伸ばした面


 
切り抜かれた面

切り抜かれた面


そしてベース面を抜き出して、各面をパッチします。
 
LOFTして側面を作り、パッチでBODYにする

LOFTして側面を作り、パッチでBODYにする


 
つぎに可動部分を作るため、テンプルを適度な場所でぶった斬り、可動のためのヒンジを作ります。

折りたたみに部分のヒンジを作成

折りたたみに部分のヒンジを作成


 
最後に、完成したテンプルをミラーリングして完成です!!

ミラーして完成

ミラーして完成


 
おまけですが、折角ヒンジをつくったのでアセンブリを設定して動かせるようにしておきます。

サングラス
 

実際に挑戦してみて

今回、初めてサングラスを作ろうと悶絶しました。実際に作ると、今までの作り方とは大分違い考えれば考える程奥が深く、手元に持ってるメガネなどを見てはその設計能力の高さに驚かされたりかなりしながら悩みました。特に悩んだのは人間の骨格部分で、頭の構造はどうなってるのだろうと、頭蓋骨について調べたりして人間工学を軽く学べる題材でもあるなぁっと思いました。おかげで、自分的にはとてもスキルアップにつながった次第です。さらにそれ以外にもちょっとした修正でデザインが大きく影響され、結局納得が行くものをつくるのに3回も作り直しをしてます。色んな要素が重なって製品化されるのか、、、と思うと世の中凄いもので溢れかえってますね。

ということでみなさんも頑張って作ってみてください。

 

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執筆者のご紹介
石丸 紀人 石丸 紀人
メイカーズファクトリー 代表取締役

みんなから「まる」と呼ばれています。気軽にニックネームで読んでくださいな。
運送、引っ越し、音響施工会社、インターネットのコンテンツプロバイダー等を経て、2013年株式会社メイカーズファクトリーを設立。メイカーズの情報サイト「Makers Love(メイカーズラブ)」を運営。
メインはシステムエンジニアだが、モノ作りが得意な侍として活躍中。
アフリカンパーカッション「ジャンベ」奏者でもある。